以前、実積豊富なベテランのライターさんにお仕事をご依頼しました。卓越した広告表現力が求められる案件でしたのでやはりここは、センスある方にお願いしたいと思ったのです。
上がってきた原稿を見て、とても感動しました。それは、「匠」の仕事でした。マンションの広告のキャッチコピー制作など、世界観の表現が重要視されるライティングの仕事は、やはり少し経験を積んだだけではできる仕事ではないと感じています。
何年もかけて、何百万、何千万文字と書いて文章を書いてきた経験の結晶が、数文字の短いフレーズにギュッと凝縮されたとき、行間から読み手の心をグッとつかみます。この域に達しているライターさんは本当に少ないです。
意匠的な仕事をするために必要なのは、「ライター体質」です。ライター向けのいろいろな本で「ライター体質になる方法」について書かれていますが、ライター体質になる方法、ひと言でいうと、「物事を感じる習慣」を持つことだと私は考えます。
私の、大好きな言葉があります。リッツ・カールトン創始者が日本支社長に伝えた言葉「Don’t Think、Feel.(考えるな、感じろ)」
相手が言葉にしてない願望や想いを「感じ取る」ことで、お客様自身が気づいていない望みを知ることができ、お客様が期待する以上の最高のおもてなしを提供することができます。
これは、ライターの仕事にもいえることです。言われたことを、言われた通りにするだけの仕事は、クリエイターではなく、オペレーターです。クリエイターは、お客様の、読み手の、マーケット全体の期待を上回る感動を提供することのできる人です。
クリエイティブ業は、サービス業です。あなたの書いた文章で、読み手が涙を流したり、大笑いしたり、思わず声を上げて叫んだりする姿が想像できますか? そのくらいのサービス精神を持って仕事に取り組めるライターが、ライター体質を持っている、一流のライターと言えます。
プロライター養成塾では、受講生お一人お一人の強みを活かしながら、志ある人を、一流のライターに育てています。