インタビューがうまくいくかどうかは、最初の数分間で決まるといっても過言ではありません。ライターとして高い能力を備えていても、取材対象者から信用されなければ、うまく話を引き出すことができなくなります。反対に、はじめに好感を得られれば、相手もぐっと話しやすくなるでしょう。
今回は、相手に「話をしたい」と思わせる3つのポイントについてお伝えします。
服装
TPOに合わせて身だしなみを整えます。ライターは自宅で仕事をすることも多いと思いますが、普段着のまま出かけるのはもちろんNG。取材先に合わせて、ファッションに気を使いましょう。特に企業を訪問する際には、基本的にスーツの着用をお薦めします。そのオフィスで働く人たちと混じっても、浮かない服装を選ぶと良いでしょう。野外施設や飲食店のインタビューなど、取材先によっては堅苦しいスタイルだと、かえって悪目立ちすることもあります。心配な場合は、あらかじめ先方に確認を取っておくと安心です。ラフな場合でも、最低限のマナーを守って、清潔感のある服装を心がけます。
挨拶と名刺交換
挨拶は、相手の第一印象を決める大事なアクションです。明るくハキハキとした声で挨拶をすると、それだけでポジティブな印象を与えます。きちんと相手の目を見て、笑顔で話しかけましょう。相手の名刺を受け取ったら、興味を持って目を通すこと。ろくに見もしないと、「自分に関心がないのか?」と思われる可能性があります。また、読めない漢字や不明瞭な点があれば、この時点で確認しておきましょう。「恥ずかしい」と思うかもしれませんが、後になるほど聞きづらくなります。会話のきっかけにもなるので、ぜひ質問してください。
自己紹介
何よりも大事なことは、貴重な時間を割いてくれる取材対象者へ感謝を伝えることです。次に、受け手の不安を少しでも軽減するために「何のために」「何を聞くために」取材にきたのかを明確にしておきましょう。お互いの認識を確認しておくことで、後から「こんなはずじゃなかった」となるのを未然に防ぐことができます。ここで、「普段は○○の記事を書いています」と、自分が「取材のプロ」であることをさりげなくアピールしておくと、相手も安心です。写真撮影やICレコーダーの使用などをする場合は、本題に入る前にあらかじめ許可を得ておきます。
記事執筆:ライター 正木友実子