「結論が先」は絶対条件?

ビジネスでは「話す時は結論から」とよく言われます。論理的な商業文章の基本型も「結論+根拠」です。「◯◯(結論)である。なぜならば◆◆(根拠)だから」という構成は、文章の論理性を高めます。(参照:「論理的」の意味

 

例えば「今週中に全記事の納品は可能か?」という質問には、このように返答します。

(結論)納品は可能です。

(根拠1)なぜならば、すでに10件中8件の取材・執筆が終了しているからです。

(根拠2)残り2件の取材も火曜で完了する予定だからです。

(根拠3)水曜・木曜は予定を空け、必要な分の執筆時間を確保しているからです。 

答えや根拠が明確な場合や、相手が結論を求めている場合は、この「結論+根拠」の流れが有効です。しかし、いつでも結論を先にすればいいわけではありません。結論を最後に持っていくほうが、読み手に伝わる場合もあるのです。

 

例えば、保険の必要性を感じていない人が以下の文章を読んだら、どう感じるでしょうか?

(結論)ぜひ当社の保険にご加入ください!

(根拠1)なぜならば、がん治療に対する保障が他社に比べて充実しているからです。

(根拠2)死亡保障額も、遺されたお子さんが成人するまでに十分な額だからです。

(根拠3)月々の保険料がリーズナブルだからです。 

おそらく書き手の売り気を感じ、退いてしまうでしょう。このような、読み手に働きかけるパターンでは、「根拠+結論」の形のほうが伝わる確率が高まります。特に乗り気ではない相手に寄り添い、根拠を一緒に検討していくのです。根拠をひとつひとつ小出しにして問いかけ、読み手の小さな「Yes」を積み重ねます。そして最後の結論で、大きな「Yes」を取るのです。

(根拠1)がん治療に対する保障が他社に比べて充実しています。(これだけあれば安心ですよね?)

(根拠2)死亡保障額も、遺されたお子さんが成人するまでに十分な額です。(これだけあれば心強いですよね?)

(根拠3)月々の保険料がリーズナブルです。(この金額ならば負担も少ないですよね?)

(結論)ぜひ当社の保険にご加入ください! 

 

いきなり「保険に入ってください!」では、読み手の反感を買います。必ずしも結論が先である必要はありません。読み手はどう考えるか、また読み手にどう思って欲しいかを第一に考え、適切なパターンを選びましょう。

 

 

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記事執筆:ライター 村川里美

ABOUT US
橋本絢子
大学在学中にフリーのグラフィックデザイナーとして起業後、Webデザイナー、Webディレクター、コピーライターを経験。コピーライティングをより探求したいとの思いから、大手求人広告会社へ入社。 約1000社分の取材インタビューを行った求人広告の原稿を作成。コピーライティングが結果に直結する求人広告の業界で、Webマーケティングスキルを培う。 フリーランスライターとして独立後、2009年4月に株式会社ジュビリーを設立。企業のメディア構築、プロモーション、セールスレターコンテンツ記事制作などの案件に携わる。仕事が増えてきたため自社でライターを育成。受講者数は200名以上。1年目で月収20万円を超えるライターを多数輩出し、中には月収100万円を超えるライターも。 講座やセッションの延べ受講者数は500名以上。「女性の経済的自立」をミッションに、自由な働き方を啓蒙している。 現在はメディア運営・法人・個人コンサル、プロモーションサポートを行いながら、地方でスローライフを送っている。