話し言葉と書き言葉の違い

私達が日常使う言葉には、「話し言葉」と「書き言葉」がありますが、2つの違いを正しく理解していますか?例えば、論文を書く際には「とっても」とは書かずに「非常に」と書くと思いますが、書きすすめていくうちに、「これって本当に書き言葉として適切なのか?正しい表現はどうなんだろう。」と悩んでいる方もおられるのではないでしょうか。そこで今回話し言葉と書き言葉の違いを説明していきたいと思います。

 

話し言葉と書き言葉について

(1)話し言葉は、話したままの言葉「口語」と呼ばれており、書き言葉は、公用文書に使う言葉で「文語」と呼ばれています。

(2)話し言葉は、方言が表れることがありますが、書き言葉で方言は使いません。

(3)話し言葉は、倒置、中断、語順などの乱れがおきやすいが、書き言葉はある程度の形が決まっています。

(4)話し言葉は断りや断定などの表現では、柔らかみを持たせるため、なるべく直接な表現を避けることが多いです。

(5)話し言葉は、敬語、感動詞(「ああ」「まあ」「もしもし」「うん」「よいしょ」など)疑問詞などが多く用いられます。

 

話し言葉、書き言葉はどこで使われている?

話し言葉は、文字の如く話す時に使われています。その他ブログや雑誌、本、インターネット上のサイトなどの媒体で、「話しているように」書かれているものも話し言葉です。書き言葉は論文や公文書、新聞、レポートなどで使われます。

 

話し言葉と書き言葉の一例

話し言葉 書き言葉
(1)です/ます である
(2)だから したがって
(3)でも/だけど しかし
(4)~だけど ~だが
(5)騒々しくて眠れない 騒々しく、眠れない
(6)家事をしないで、外に出る 家事をせず、外に出る
(7)じゃない ではない
(8)とっても/すごく 非常に/極めて
(9)あんまり あまり
(10)いっぱい 多く/数多く
(11)ちょっと 少し/多少
(12)変わる 変化する
(13)なのに それなのに/それにもかかわらず
(14)やっぱり やはり
(15)でも けれども/だが/しかし

 

(5)は、「騒々しくて眠れない」だと、並列のように捉えられるので、「騒々しく、眠れない」と書き事によって、騒々しいために眠れないという原因と結果の関係を明確に示すことができます。

 

話し言葉と書き言葉は、全く別物であるということが分かっていただけたでしょうか?書くことを仕事にする方は、書き言葉と話し言葉を正しく使いこなせるようになりたいものですね。そのためには、正しい書き言葉を使って表現されている新聞などを読み、文章の雰囲気を体に沁みこませることも有効だと言えるでしょう。

 

 

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参考文献

1)山本雅子 大西五郎. 愛知大学語学教育研究室紀要話し言葉と書き言葉の相互関係―日本語教育のために―言語と文化.愛知大学語学教育研究室.2003.p76~77

2)スリーエーネットワーク.第2回『ここが大切!留学生のための文章表現ルール』を使った授業例

http://www.3anet.co.jp/ja-relation/bunshohyougen-ru-ru-katsuyoukoouza/129/

 

 

記事執筆:ライター 仲村しょうこ

 

 

 

 

 

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橋本絢子
大学在学中にフリーのグラフィックデザイナーとして起業後、Webデザイナー、Webディレクター、コピーライターを経験。コピーライティングをより探求したいとの思いから、大手求人広告会社へ入社。 約1000社分の取材インタビューを行った求人広告の原稿を作成。コピーライティングが結果に直結する求人広告の業界で、Webマーケティングスキルを培う。 フリーランスライターとして独立後、2009年4月に株式会社ジュビリーを設立。企業のメディア構築、プロモーション、セールスレターコンテンツ記事制作などの案件に携わる。仕事が増えてきたため自社でライターを育成。受講者数は200名以上。1年目で月収20万円を超えるライターを多数輩出し、中には月収100万円を超えるライターも。 講座やセッションの延べ受講者数は500名以上。「女性の経済的自立」をミッションに、自由な働き方を啓蒙している。 現在はメディア運営・法人・個人コンサル、プロモーションサポートを行いながら、地方でスローライフを送っている。