読者に伝わる論理的な文章は、どのようにして書けば良いのでしょうか?
コツのひとつが「要素のグループ化」です。例えば、このようなイタリアンレストランの紹介文があったとします。
・完全個室によるプライベート空間
・ワインソムリエがオススメのワインをご提案
・シェフこだわりの和牛ステーキ
・有名ホテルで経験を積んだ接客スタッフ
・限定10食のプレミアム栗スイーツ
・間接照明を活かした落ち着いた大人の空間
・素材を活かした上質なイタリアン
それぞれ魅力的なことが書いてあります。しかし、実際に行ってみようと思えるほどにはレストランの良さが伝わってきません。なぜでしょうか?
それは、ただ情報を羅列しているだけで、論理的なまとまりがないからです。
料理の話題だと思ったら個室の話になり、今度はワインソムリエ、そしてまた料理へ。思考があちこちに行ったり来たりして読者はスムーズに読めないストレスを感じます。それでは大事なことが何も伝わりません。
商業文章において、複数の要素があってまとまりを欠く場合はテーマに沿ってグループ分けをしましょう。視点を変えて、文章を編集するのです。
テレビでも、撮った素材をそのまま流すことはしません。集めた情報をまとめ、順番を変え、いちばん伝わりやすい形に編集しています。そうすることで、引っかかりなく視聴者の頭に情報がスッと入ります。
ここでは、冒頭の要素を料理、接客、雰囲気の3つに分けます。
毎朝市場で仕入れた新鮮な有機野菜を提供
シェフこだわりの和牛ステーキ
限定10食のプレミアム栗スイーツ
有名ホテルで経験を積んだ接客スタッフ
ワインソムリエがオススメのワインをご提案
完全個室によるプライベート空間
間接照明を活かした落ち着いた大人の空間
「素材を活かした上質なイタリアン」については検討が必要です。料理に分けてある3つと同列にまとめて良いのでしょうか?3つを総括した内容が「素材を活かした上質なイタリアン」です。この要素は、並列させずに見出しに使いましょう。
まとまり毎に見出しを付けることで、より魅力が伝わる文章になります。
毎朝市場で仕入れた新鮮な有機野菜を提供
シェフこだわりの和牛ステーキ
限定10食のプレミアム栗スイーツ
有名ホテルで経験を積んだ接客スタッフ
ワインソムリエがオススメのワインをご提案
完全個室によるプライベート空間
間接照明を活かした落ち着いた大人の空間
論理的に情報を仕分けることで、読者が迷わず読み進めることができるようになりました。
また、伝わる内容も「何となく良さそうなレストラン」から、「素材を活かした料理がハイレベルな接客で楽しめる、居心地の良いレストラン」に変わりました。
ビジネスにおける文章では論理性が求められます。グループ化を常に意識して、伝わる文章を書きましょう。
論理的な情報のグループ分け法へ続く。
論理的な文章の書き方のコツは、プロライター養成塾で学ぶことができます。
記事執筆:ライター 村川里美