インタビューと対談の違いをご存じですか?インタビューも対談も、2人の会話で進んでいくは同じですが、登場する2人の関係に違いがあります。インタビューでは、主役は話し手(インタビューを受けている側)であり、聞き手は黒子ですが、対談では2人の話し手は、ほぼ対等な関係で会話を進めていきます。記事の書き方においてもインタビューと対談となると少し違いが出てきます。対談記事の書き方の5つのポイントを紹介していきます。
伝えたい内容を明確にする
対談中は読者目線で話を聞きながら、「これは伝えたい!」と思うことがあるはずです。本人の口から出る言葉を大切に拾い、何を読者に伝えたいかをはっきりさせます。 最も伝えたいフレーズを決めるのです。
例えば、ママさん向けの雑誌に、働くママ看護師さんへ、子育てと仕事の両立についての現状を対談で話してもらった際、「独身時代は看護師の仕事が好きでたまりませんでした。子どもを妊娠し、子育てに専念しようと仕事は辞めました。でも、だんだん仕事を始めようかという気持ちになってきて。最終的に、子どもに私の背中を通して、好きなことを諦めない生き方を感じて欲しいと思ったのが、私の職場復帰の原点です。」と言われたとしたら、「子どもに私の背中を通して、好きなことを諦めない生き方を感じて欲しいと思ったのが、私の職場復帰の原点です」を最も伝えたいフレーズにする、という具合です。
対談の場合、予めおおまかなストーリー、伝えたい内容を予め考えておくこともあります。
伝えたい目的を明確にする
1.の伝えたい内容を明確にしたら、なぜそれを読者に伝えたいのか踏みこんで考えます。対談を読んだ人に起こして欲しい行動があるのか、本人の強みを多くの人に伝えたいからなのか。
上記の例で言うと、なぜ「母親が働く姿を子どもに見せることで、子どもが好きなことを諦めない生き方を感じて欲しいと思ったこと」を伝えたいかを踏みこんでいきます。すると、読んだママさんが、「子育てに専念することが、子どもにとって良いと思っていたけれど。そればかりではないのかもしれない。私もやりたかった仕事、はじめてみようかな。」と思い働きたいけど小さいお子さんがいて踏みきれないママさんの背中を押したい、からなどです。伝えたい目的まで掘り下げると、文章全体にまとまりがついてきます。
2人の会話のどちらにも同じウェイトを置く
実際の対談の場では、どちらか一人が多く語ることもあるかもしれません。記事に起こす時は、どちらか一方に偏ることなく、それぞれの会話に同じウエートを置くようにしましょう。
話し手の口調や雰囲気を尊重して生かす
インタビューの場合、主役は一人ですが対談の場合は2人です。口調や雰囲気などその人の持っている魅力的な部分を生かして、読者の頭の中でそれぞれの人物がイメージできるようにします。
全体の流れを調整する
対談記事は、聞いた通りそのまま書き起こすものではありません。読者に伝わるように工夫して書く必要があります。どうやったら、読者に伝えたいことが伝わるのか、面白いと思って読んでもらえるのかを考えながら、文章の構成を考えていきます。もちろん、本人が話した言葉をそのまま全部書く必要はなく、本人の意図が変わらない程度にこちら再度で分かりやすいようにもとめたり、言い換えたりもします。
最後に、対談した本人に、書いた文章を確認してもらい、OKが出たら、対談記事として公開できます。対談記事の書き方をマスターすることで、あなたのライターとしての仕事は更に広がりを見せていくことでしょう。
参考文献
丘村奈央子.取材と文章作成 エディラボ 取材と文章作成
テープ起こし はじめの一歩 インタビューと対談の違い
記事執筆:ライター 仲村しょうこ