インタビューの基本は、相手の気持ちを引き出す「質問力」にあります。ライターが用意した質問を次から次へとぶつけていると、「尋問」のようになってしまうので注意が必要です。そうなると、聞かれる方は「どうして答えなきゃいけないのか?」という気分になって、心を閉ざしてしまうでしょう。そこで、今回は質問力を高める方法についてみていきます。
準備は7割、アドリブ3割
インタビュー前の準備として、質問することを7割くらい考えておきます。最初からガチガチに決めていると余裕がなくなるので、「あそび」の部分も必要です。基本的なことですが、取材対象者の情報は前もって調べておきます。ライターがどれだけ準備をしてきたかは、相手にも自然と伝わるものです。取材対象者に関する資料には、きちんと目を通しておきましょう。
質問の意図を明らかにする
質問の意図がわからないと、相手は不信感を抱きます。たとえば、いきなり「海外に住んだことはありますか?」と質問しても、聞かれた側は「なぜそんなことを聞くのだろう」と不安になるだけです。「グローバルな考え方をされていますね。海外経験があるのですか?」という聞き方なら、相手も納得します。聞き手が「どうしてその質問をするのか」という考えや背景を明らかにすることで、答えを引き出しやすくなるのです。
相手が話したいことから質問する
まず、自分が聞きたいことよりも、相手が話したいことを質問するようにします。初めから自分の聞きたいことだけを質問し続けていると、聞かれた側は無理をして答えを作るようになり、本音を聞き出すことができません。あくまで相手が主役であることを忘れないようにしましょう。
オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを交える
クローズドクエスチョンとは、「イエス・ノー」で答えられる質問のことです。答えが限定されているので、話し下手な人にも答えやすいというメリットがあります。ただし、こればかりだと話が広がりません。一方、オープンクエスチョンとは、相手が自由に返答できる質問を指します。答えに制限がない分、深い話や本音を引き出せる可能性も高くなりますが、聞かれた側が答えに窮する場合もあります。このように、それぞれ短所と長所があるので、両方をうまく使い分けることが質問上手になるコツです。
記事執筆:ライター 正木友実子