「読みやすい文章を書くにはどうしたらいいのか」とご相談を受けることがあります。
読みやすい文章を書くためには、言い回しの格好よさよりも、読者さんへの伝わりやすさを重視した方がよいです。
作家、瀬戸内寂聴さんいわく、「文章というのは、むずしいことを知っていても、やさしい言葉で相手にわかるように書かなければいけないのです」とのこと。
これはどんな文章を書く際にも通じることです。伝わりやすい文章を書くためのコツは、大きく分けて3点あります。
2.読みやすい漢字を使う
3.一文をできるだけ短くする
順番にご説明します。
専門用語をできるだけ避ける
難しい専門用語を並べて自分の知識をひけらかそうとする人もいますが、業界の専門用語を、読んでもらいたい相手が知っているとは限りません。同じ業界の人をターゲットにした文章は、専門用語の方が伝わりやすくなる場合もあります。ターゲットの目線に合わせた言葉を使うようにしましょう。
読みやすい漢字を使う
たとえば「心配り」という言葉。一瞬、「心配」と読んでしまうことがあります。「心くばり」とした方が、間違われずに済むでしょう。専門用語と同じように、読みづらい漢字が出てきた時点で読みづらい文章になります。
また、漢字があまりにも多い文章も、堅苦しい印象になります。商業文章を書く場合は、漢字とひらがなのバランスを考慮し、小学5年生でもスラスラと読める文章を心がけましょう。
一文をできるだけ短くする
夏目漱石の有名な一文で比較してみましょう。
例1>
吾輩は、名前もまだなく、どこで生まれたか頓と見当がつかない猫である。
例2>
吾輩は猫である。名前はまだない。
どこで生まれたか頓と見当がつかぬ。
例1はのように一文が長いとリズム感が良くないので、だらだらとした印象になります。できるだけ短く簡潔な方が、効果的です。
読み手の心を動かす「伝わりやすい文章」を書くために、上記3つのポイントをぜひ意識してみてください。