「文章は論理的に」と言われますが、具体的にはどういうことなのでしょうか?
論理的な文章の基本型は、「結論+根拠」です。つまり文章を「◯◯(結論)である。なぜならば◆◆(根拠)だから」という構成にするのです。
主観的な文章の場合、根拠は不要です。
「今日は、デパートで口紅を衝動買いしてしまいました。失敗したかなと思いましたが、夫には好評でした。」
日記や友人とのメールでは、事実と感情が伝われば十分です。しかし、相手を説得したり深い理解を求めるビジネスの場では、文章を論理的にする必要があります。
「プロジェクトリーダーを誰にするか」という題目を例に挙げます。論理的な構成はこうです。
なぜならば、
(根拠1)半導体はAさんが10年以上取り組んでいる得意分野だからです。
(根拠2)Aさんは、前回の同様プロジェクトで1,000万円売り上げたからです。
(根拠3)Aさんには育成力があり、入社2年目のメンバーをサブリーダーに育て上げたからです。
商業文章では、常に「結論+根拠」を意識しましょう。論理的な文章はビジネスにおいて必須です。なぜならば、結論だけでは相手の心を動かさないからです。「リーダーはAさんしかいません!」と結論だけ連呼しても、誰にも伝わりません。なぜAさんがいいのか、Aさんを知らない人にも伝わるくらいの客観的な根拠が必要です。結論のあとに根拠1〜3までを伝えれば、賛同を得ることができるでしょう。
どのような文章でも、結論のあとに心の中で「なぜならば」と続けてみてください。常にこのトレーニングを繰り返すことで、論理的な文章が書けるようになります。
結論に対して適当な根拠か、論理性を確かめることも重要です。「根拠→結論」になっているかどうか、順番を変えてみます。
(根拠2)Aさんは、前回の同様プロジェクトで1,000万円を売り上げました。
(根拠3)Aさんには育成力があり、入社2年目のメンバーを今期サブリーダーに育て上げました。
だから、
(結論)Aさんが適任です。
このように、根拠から結論が導き出されていれば、その文章は論理的であると言えます。すぐに会得するのは難しいかもしれません。しかし、論理的思考を心掛けるだけで文章の質は変わってきます。
プロライター養成講座では、論理的な文章を書くコツを学ぶことができます。
記事執筆:ライター 村川里美