原稿の完成形をイメージしてからインタビューする

「ストイックな経営者であるAさんに、こんなユニークな一面があったなんて」思いもよらぬ話を聞くことができるのは、インタビューの醍醐味です。しかし行き当たりばったりで、おいしい話を聞くことができる偶然を待っているだけでは、良いインタビュー記事は書けません。取材では、事前準備が原稿の質を決めると言っても過言ではないのです。以下のような準備をしっかりと行い、取材に臨みましょう。

取材目的を明確にする

何を伝えるための取材かを明らかにしておきます。「いい話を聞く」ことは目的とは言えません。優秀な人材を採用するための経営者インタビューなのか、自社製品の売り上げアップのための経営者インタビューなのか。同じ経営者インタビューでも、目的が違えば質問内容も変わってきます。

取材対象者をリサーチをする

編集者から入手した資料や書籍、過去のインタビューなどを読み込みましょう。ある程度露出がある人物の場合、ネットで調べるだけでも多くの情報を得ることができます。調べることで、仮説を立てることが可能になります。この人にはこのような信念があるのではないか、この行動に出たのにはこんな理由があるのではないか。仮説を立てることで、質問に深みが出ます。

取材目的に沿った質問を準備する

例えば自社製品の誕生秘話を語り、売り上げ増を狙うのであれば、このような質問が思い浮かぶでしょう。製作のきっかけ、どのような悩みを解決する商品なのか、失敗談、成功した瞬間、成功の立役者…。「読者なら何を聞きたいか」という観点で、リサーチした情報や仮説を元に適切な質問を選定していきます。

取材の流れを決める

質問を見直し、聞く順番を決めます。こうすることで、準備段階でおおまかな原稿の完成形をイメージすることができます。もちろん準備通りにインタビューが進むとは限りません。しかし、しっかりと準備を行うことで、取材目的から外れることなくインタビューを進めることができます。そして何よりも、取材中、読者が面白いと感じる話を引き出すことに集中できるのです。

 

入念な準備は、読者のためにも取材対象者のためにもなります。取材前、ぜひ実践してみてください。

 

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記事執筆:ライター 村川里美

ABOUT US
橋本絢子
大学在学中にフリーのグラフィックデザイナーとして起業後、Webデザイナー、Webディレクター、コピーライターを経験。コピーライティングをより探求したいとの思いから、大手求人広告会社へ入社。 約1000社分の取材インタビューを行った求人広告の原稿を作成。コピーライティングが結果に直結する求人広告の業界で、Webマーケティングスキルを培う。 フリーランスライターとして独立後、2009年4月に株式会社ジュビリーを設立。企業のメディア構築、プロモーション、セールスレターコンテンツ記事制作などの案件に携わる。仕事が増えてきたため自社でライターを育成。受講者数は200名以上。1年目で月収20万円を超えるライターを多数輩出し、中には月収100万円を超えるライターも。 講座やセッションの延べ受講者数は500名以上。「女性の経済的自立」をミッションに、自由な働き方を啓蒙している。 現在はメディア運営・法人・個人コンサル、プロモーションサポートを行いながら、地方でスローライフを送っている。