初対面の人にインタビューをするのは、誰だって緊張しますよね。ライターさんの中には「人と話すのが苦手だから、家にこもって原稿が書ける仕事を選択した」という方もいらっしゃると思います。かく言う私も人見知りなので、初めての取材では不安がいっぱいでした。
こちらが緊張していると、取材対象者も構えてしまいます。「このライターとは話しにくい」と思われると、相手の本音を聞き出せません。そうなると、せっかくの取材が台無しになってしまいます。
そんなお互いの緊張感を解きほぐしてくれるのが、「アイスブレイク」です。アイスブレイクとは、「氷を砕く」の意味。その名のとおり、氷のように固まった場をあたため、リラックスした雰囲気を作り出す働きがあります。もともとは会議やセミナーなどで、参加者同士のコミュニケーションを円滑にするために用いられた手法ですが、インタビューの現場でも使われています。
取材をする時は、いきなり本題に入らず、ちょっとした雑談をして場の雰囲気を和らげることが大切です。そうしたウォーミングアップの時間を取ることで、相手の緊張もほぐれ、話がしやすくなります。
話のネタに困った時には、次の「木戸に立てかけし衣食住」を参考にしてみてください。初対面の相手とでも、何かしら共通項を見つかるはずです。
き=気候・季節
その中で盛り上がった話があったら、質問を投げかけてみましょう。話題の本を取り上げて、「○○を読んで、どう思われましたか?」など、訊いてみるのもいいですね。ここで、どんな答えが返ってきても決して否定しないこと。大切なのは、共感ポイントを見つけることなのです。基本的に、相手のことは褒めます。スーツなど身につけているものや物腰、オフィスやスタッフのことなど、気づいたことは何でも構いません。「この人は自分の味方だ」と思わせることで、心を開いて話してくれるようになります。
ど=道楽(趣味)
に=ニュース
た=旅
て=テレビ
か=家庭・家族
け=健康
し=仕事
衣=ファッション
食=食べ物
住=住居
そうして、すっかり打ち解けた頃合いで、本題に入ります。相手に「今、始まった」と思わせることなく、自然な流れでスタートできれば、理想的なインタビューです。
記事執筆:ライター 正木友実子